センス・オブ・ワンダー

ぱうわうの開所準備をしているときに実家の本棚から出て来た本の紹介です。

キャンプカウンセラーとして活動していた時に、恩師からすすめられて読んだ本の一つで

今のぱうわうの理念にも影響を受けています。

あの頃は、保育士かスクールカウンセラーになりたくて、いろいろな本を読んだり

勉強会に参加していましたが、この本ほど、あの時の自分に影響を授けてくれたのはなかったかもしれません。

 

当時は教育とは指導であり、知識とは何よりも絶対必要なものだと思い込んで勉強するのが好きな時期でした。

今に思えば、自信のない不安や経験を知識でカバーするのに必死だったんでしょうね。

そんな私の姿を見て、恩師から渡された本が『センス・オブ・ワンダー』(著・レイチェル・カーソン)でした。

何気なく読んだ薄い本でしたが、その時の私に本当に必要なものが詰まっていて、当時の自分が道をずれて

歩いていこうとしているのに気づかせてくれました。

子どもたちのためにと勉強していたのが、本当は自分自身の見栄や虚勢であったり、得た知識を使う場としてのみ

キャンプに参加する子どもたちを見てしまっていたりと、何のために、誰のために、想いはどこにいったの?

と、パンチを食らいました。

子どもたちにとっての成長とは、答えを伝えることでも、誘導して導くことでもなく。

ただ、そばにいて、草の香りのする地面に寝転んで、大きな青空を見上げながら手を繋ぐ・・・

ただただそれだけでいいんだね。

不思議なものをいっしょに見つけ、その時のわくわくやドキドキした感情を共に味わい、わかちあう。

そんな想いが根っこにないと、人の心は育たないし、心を育てることもできないんですね。

ふと、この本を手に取ってあの時の恩師に感謝を伝えたくなったひと時でした。

 

説教臭い言葉ではなく、ただ一冊の本で無言で導いてくれた恩師と、この本の著者にありがとうございます。