揉め合い・・・ そして・・・

ぱうわうには、つどいあい・まざりあい・わかちあい・といった意味などがあります。

最近(仮名)P君はTスタッフと苦手な算数の勉強を頑張ったり、ギターを習ったりと仲良くされていましたが、先日のおやつの時間に揉め合いが起こりました。

事の発端は、Tスタッフが座って熱いお茶を飲んでいたらそこにP君が遊んでいたバランスボールが転がってぶつかってしまい、Tスタッフが『P君。今はここでバランスボールで遊ぶと危ないから離れて遊んでください。』言いました。
するとP君は反省した素振りもなく『ゴメンゴメン』と、言いながら、またその場でバランスボールで遊びだしました。
するとまたまたTスタッフの方にバランスボールが転がってしまい、これは注意しないといけないでしょ。
Tスタッフ 『P君 さっきの話は覚えてるかな? Tさんは何ていったかな?』
P君  『覚えてないし 俺なんもしてないやん』
Tスタッフ 『Tさんは ここでは危ないから、別の場所で遊んでねってお願いしたよね?』
P君  『そんなん言われてないし』『わざとじゃないし。ボールがテーブルに当たってTさんの方に行っただけやし』
Tスタッフ 『そうじゃなくてね。Tさんがお願いしたことを覚えてるかなぁって聞いてるんだよ』
P君『はあっ なんなん。 俺なんもしてないやん』と、揉め合いました。

P君の障がい特性として、白黒思考でゲームでも負けることに強い嫌悪感があり、カードゲームでも負けそうになると途中で止めることもあります。 そのため友達や学校の先生とも自分自身の非を認めることは負けを認めることだと感じて嫌がり、最後まで今回のように抵抗をします。
もちろんそれだけではなく、だれも僕の本当の気持ちを理解してくれないなどの不安感もあるようです。

今回は向井が間に入り、二人の話しのボタンの掛け違いの修復として、『今のはTさんは怒っているんじゃなくて尋ねているだけだよ。 だって向井さんも見てたけれど、ちゃんとP君ごめんって言えていたよ。』
などと、ひとつひとつを整理して、マイナスの感情を含まずに話しをすすめるとP君も冷静になり、あっという間にまたTさんと仲良くおしゃべりを再開しました。

再開後の話しを離れてうかがっていると、Tさんも上手く感情のコントロールの話しを切り出して、P君に今みたいなときはどうしたらいいのかなぁ?って質問をしてて『優しいP君だったらあんな時はどうすんの?』などと話しをしてたので、
向井がP君の顔写真を印刷して紙袋に張り付けて頭から被り、優しいP君代理として登場しました。

優しいP君代理
『僕は負けるのが嫌いなんだ。だって悔しいんだもん。 でも悔しいけれどみんなと遊べて楽しい気持ちもあるんだよ』
『本当はわかってるんだけど・・・ 謝ると負けるみたいで嫌なんだ。みんなごめんね』
『でも、ありがとう』って、向井が演じていたら本物のP君が紙袋を、ガバッと取ってきて自分自身に被り、しばらく無言で室内を歩き回り一言『我慢する』と・・・

我慢ばかりするのも問題だけど、彼の課題として時には我慢することを覚えてほしいって思いがあったので、この一言にはTさんも向井もびっくりするほど嬉しくて、二人して『スゴイ!さすがP君えらい』と、褒めちぎりました。

そしてこれは2か月前の出来事で、いま現在P君はとても忍耐ができるようになり、この出来事の後ぐらいから、落ち着きだしたのかなって記録を見てて思い出したので投稿をしました。

ぱうわうは
いろいろな人が集い合い
いろいろな人が混ざりあい
いろいろな人が想いを分かち合い
だからこそ、揉め合いがおこっても、こうやって成長につなげられる
そんな場所です。

雨上がりの青空と虹